一乗谷朝倉氏遺跡の魅力を全国へ~新潟・越前浜での「朝倉狂楽」公演を振り返って
みなさん、こんにちは。 一般社団法人クリエイティブASUWA広報チームの瀬戸です。
当法人では、去る2025年9月28日、新潟県新潟市西蒲区の越前浜小学校体育館にて、失われた朝倉文化を現代の音楽で表現する「朝倉狂楽」の公演を実施しました。
この公演は、福井県の一乗谷朝倉氏遺跡を世界文化遺産登録へ向けた取り組みの一環として企画されたもので、初の県外開催となりました。
戦国時代のロマンを音楽と踊りで蘇らせるこのイベントを通じて、地元新潟の皆様に朝倉氏の歴史をお届けできたことを、心より嬉しく思います。
公演の背景や当日の様子を、お伝えします。
なぜ新潟・越前浜で開催したのか?
これまで「朝倉狂楽」の公演は福井県内で複数回行ってきましたが、今回初めて新潟県での開催に踏み切りました。
なぜ、遠く離れた越前浜を選んだのか?
その理由は、地元に残る朝倉義景の愛息・愛王丸に関する伝説にあります。
歴史記録によると、朝倉義景の嫡子である愛王丸(当時5歳)は、1573年の朝倉氏滅亡後、京都への護送中に福井県の今庄で処刑されたとされています。
しかし、新潟市西蒲区の越前浜(旧・角田浜)には、異なる言い伝えが残っています。
「朝倉氏の家臣たちが身代わりの子を立てて本物の愛王丸を救い出し、船で日本海へ逃亡させた。数日間の漂流の末、鶏の鳴き声に導かれて越前浜に上陸し、家臣28人とともに集落を形成。朝倉家の血統を守った」
というものです。この伝説は、越前浜の西遊寺の建立や、鳥子神明神社の鶏の守り神に結びつき、地元文化のルーツとして大切に語り継がれています。
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館の宮永一美学芸員は、こうした子孫伝承について
「愛王丸が生き延びたという伝説は他にもあり、あくまで伝説の域は出ないが、越前との結び付きを表していることは確かだと言える」
2025/09/29 福井新聞朝刊
と指摘しています。 私たちは、このような地域間のつながりを活かし、越前浜の皆様のご協力のもとで公演を実現しました。こうしたつながりは今後も大切に繋いでいきたいと思います。
当日の公演の様子
公演当日は、午前10時スタート予定でしたが、開演1時間前の9時頃からお客様が訪れ始め、9時半には席が満席に。急遽座席を追加し、最終的には想定を上回る約200名の方にご来場いただきました。こうした熱気は、主催者として大変励みになりました。
まず、9時半からイベントに先立ち、一乗谷朝倉氏遺跡をPRする動画を上映。多くのお客様に朝倉氏の歴史、見どころを知って頂き、楽しんでいただきました。
続いて10時からは、当法人理事長の岸田による講演を実施。一乗谷の概要と、越前浜との伝説的なつながりを紹介し、新潟の皆様に一乗谷の魅力を知って頂き、地元の歴史を再発見する機会を提供できました。
本番の「朝倉狂楽」は11時からスタート。冒頭は、地元の方々による越前浜盆踊りで幕開け。新潟の伝統舞踊が披露され、福井から来た出演者たちも一緒に楽しむ和やかな雰囲気となりました。その後、城下町歴史ナビゲーターの案内のもと、Rina & Coconaによるオリジナル楽曲「天晴れ糸桜」を披露。朝倉無限隊の夢幻の踊りが加わり、会場は大いに盛り上がりました。
続いての「妖怪音頭」では、LEGEnD OF YOUの皆さんによるパフォーマンスに加え、地元越前浜の子どもたちが参加。福井と新潟の子どもたちによる交流が生まれ、世代を超えたつながりを感じさせるシーンとなりました。
最後の締めくくりは、越前浜の伝説を基にした「愛王丸物語」。前半の賑やかな曲から一転、愛王丸の心情を描いた感動的な歌詞に会場が静まり返り、終了後には鳴り止まない拍手が響きました。音楽の力が、歴史を身近に感じさせることを改めて実感しました。
参加者の反応と公演しての感想
公演終了後、地元の方々から「とても良かった。一乗谷朝倉氏遺跡を訪れてみたくなった」「地元の伝説がこんなにドラマチックだとは知らなかった」といった嬉しい感想を多数いただきました。
私自身、スタッフとして準備を含め2日間越前浜に滞在しましたが、地元の方々の温かさに触れ、この場所が大好きになりました。
このイベントを通じて、朝倉文化の魅力を福井から新潟へ発信できた喜びを感じています。
今後、さらに全国ツアーを展開し、世界遺産登録に向けた機運を高めていきたいと思います。
お礼
この公演の成功は、共催いただいた新潟市越前浜の「夢育塾」の皆様、設営・サポートを担っていただいたFMCアドサービスの皆様のおかげです。
心より感謝申し上げます。
また、ご来場いただいた皆様、関係者の皆様に改めてお礼を申し上げます。
福井が誇る観光名所「一乗谷朝倉氏遺跡」今後も国内外の皆様に一人でも多く知ってもらえるようPRを行ってまいります。
今後のイベント情報については、当法人ウェブサイトをご覧ください。
引き続き当法人をよろしくお願いいたします。